はじめに|なぜ今「位山ピラミッド」が気になるのか
「岐阜 位山 ピラミッド」「日本の山岳ピラミッド」といったキーワードで検索すると、必ずと言っていいほど名前が出てくるのが岐阜県高山市の位山(くらいやま)です。
- 日本二百名山・ぎふ百山のひとつ
- 飛騨一宮水無神社のご神体
- 宮川と飛騨川を分ける中央分水嶺
- 巨石群や「天の岩戸」が点在する霊山
というだけでも十分に“濃い”山ですが、さらに
「位山は、日本最初の王朝=飛騨王朝の都だった」
「山全体が巨大なピラミッドだった」
といった古代文明ロマンも語られてきました。
この記事では、
- 位山とはどんな山なのか(基本情報)
- 「日玉国」「天孫降臨」と結びつくピラミッド伝説
- 山中に残る祭壇石や天の岩戸などの巨石群
- 同じ岐阜県内の金山巨石群との関係
- 実際に歩いて楽しむための登山情報
を、“ロマンはロマンとして楽しみつつ、冷静さも忘れずに” まとめて紹介します。
1.位山とはどんな山?霊峰・分水嶺・ご神体の三つの顔
1-1.飛騨の真ん中に立つ「分水嶺の山」
位山は、岐阜県高山市にそびえる標高1,529mの山。
- 日本二百名山
- ぎふ百山
- 位山舟山県立自然公園の一部
として知られています。
地形的な特徴として面白いのが、ここが
- 日本海側へ流れる宮川(神通川水系)
- 太平洋側へ流れる飛騨川(木曽川水系)
を分ける中央分水嶺になっていること。
山腹には「分水嶺公園」も整備されていて、水を流すと左右で別の川に分かれていく仕掛けもあります。
山腹には「分水嶺公園」も整備されていて、水を流すと左右で別の川に分かれていく仕掛けもあります。
地図を広げて眺めると、「日本列島の背骨」のような場所に、しっかりと位山が座っているのがわかります。
1-2.イチイの木と「位」の名を授かった山
「位山」という名前には、古い伝承があります。
- 山にはイチイ(一位・櫟)の原生林が広がっている
- このイチイで作られた笏(しゃく/天皇が持つ細長い板)が、平安時代から即位の儀式に献上されてきた
- その出来栄えが見事だったため、「正一位」という最高位の神階を賜り
- 木の名が「一位(イチイ)」
- 山の名が「位山」
と呼ばれるようになった――というものです。
令和の大嘗祭においても、位山のイチイによる笏が献上されたと伝えられており、現代でも“特別な山の木”として扱われています。
1-3.飛騨一宮水無神社のご神体・霊山としての位山
位山は、飛騨一宮水無神社のご神体(神奈備)でもあります。
- 山頂近くには奥宮とされる「天の岩戸」
- 山全体が神域とされ、古くから霊山・信仰の山として崇敬されてきた
という背景があり、単なる登山の対象以上の意味を持つ山だと言えます。
2.竹内文書が描く「日玉国」と飛騨王朝|位山は天孫降臨の舞台?
2-1.竹内文書とは?ロマンと“扱いに注意”な古史古伝
位山ピラミッドを語るうえで、よく名前が挙がるのが竹内文書(たけうちもんじょ)です。
- 「世界最古の古文書」とも称される
- 神代からの歴史や天皇系譜が詳しく書かれている
- 現在の学界ではほぼ“偽書(後世の創作)扱い”
という、かなりクセの強い存在。
史実としてそのまま受け取ることはできませんが、「日本の古代ピラミッド」「飛騨王朝」といったロマンの源泉になっていることは確かです。
2-2.「日玉国=飛騨」と、天孫降臨の舞台としての位山
竹内文書には、こんな記述が出てきます(要約)。
- 「天越根」は日本全体
- 「日玉国(ヒダマ)」=ヒダ=飛騨地方
- 越中国(現在の富山県)や、それに隣接する“狭依国”もセットで語られる
ここから、
日本列島の中でも、飛騨・越中周辺が「天孫降臨」と「宮」が築かれた中心地だった
と解釈されてきました。
さらに、
「位山に、日の神の皇太子の居る大宮を日玉国と云ふ」
という一文があり、
- 日の神(太陽神)の皇太子
- その居る大宮=位山
- その国を「日玉国(飛騨)」と呼ぶ
という構図が浮かび上がります。
ここから生まれたのが、
- 日本最初の王朝=飛騨王朝が、位山に築かれた
- 位山こそ、天孫降臨後の“最初の都”だった
という「飛騨王朝」伝説です。
2-3.高天原伝説・両面宿儺と位山
他の古史古伝では、
- 神武天皇以前に、飛騨を拠点とする**古い王朝(高志国・飛騨王朝)**があった
- その中心が位山であり、ここを高天原とみなす説
- 神武天皇とされる人物(ヒダカサヌ)が位山に登拝した際、
- 一体で顔が二つ・手が四本の「両面宿儺(りょうめんすくな)」が天から降臨し、王位を授けた
- 「位を授ける山」→位山という語源説
など、さらに濃い伝承も登場します。
もちろん、これらはあくまで伝説・ロマンの世界の話。
ただ、「位山=飛騨の中心・太陽と王権に関わる聖地」というイメージは、こうした物語から強く支えられています。
ただ、「位山=飛騨の中心・太陽と王権に関わる聖地」というイメージは、こうした物語から強く支えられています。
3.山そのものがピラミッド?巨石群と祭祀遺構が語るもの
3-1.祭壇石|山腹に残る「ピラミッドの祭壇」みたいな巨岩
位山ピラミッド説でとりわけ注目されているのが、山腹にある「祭壇石」と呼ばれる巨大な平らな岩です。
- 中腹の苅安峠近く、山頂を真正面に望む位置に鎮座
- 周囲から一段と浮かび上がるような存在感
- その名前の通り、「古代の祭壇」「儀式の場」だったのではないかと言われてきた
ピラミッド研究者やスピリチュアル寄りの人々の間では、
「位山という“山岳ピラミッド”を祭祀するための祭壇」
と見なされており、山岳信仰とピラミッド説を結びつける象徴的なポイントになっています。
3-2.天の岩戸・太陽石・鏡岩|太陽信仰とつながる巨石たち
山頂から少し北に下った場所には、「天の岩戸」と呼ばれる巨石遺構があります。
- 二つの大きな岩が組み合わさった岩窟状の構造
- 入口付近には、高さ4m級の巨岩が立ち、その役割から太陽石と呼ばれることも
- 近くには「鏡岩」と呼ばれる岩もあり、太陽の光を受ける“鏡”的な役割を持つとする説も
こうした配置から、
- 太陽の動き
- 岩に映る光の変化
を利用した、**太陽信仰+暦(カレンダー)**的な機能を持っていたのではないか――と考える人もいます。
3-3.禊岩・御門岩・日抱岩…名前を持つ巨石群
位山の登山道周辺には、他にも名前を持つ巨石がいくつも点在しています。
- 禊岩(みそぎいわ)
- 御門岩(みかどいわ)
- 日抱岩(ひだきいわ)
- 朧岩(おぼろいわ)
- 光岩(ひかりいわ)
- 豊雲岩(とよくもいわ) など
岩の表面には、自然の浸食模様に見えるものから、「これは古代文字なのでは?」と主張されてきた刻みまで様々。
- 日本の神代文字
- シュメールの楔形文字
などに似ているとする説もありますが、学術的に認められているわけではありません。
それでも、濃飛流紋岩という巨大な火成岩がむき出しになった独特の地質と、巨石の配置や名称、そこに重ねられた神話が合わさることで、「自然の岩以上の何か」に見えてくるのも事実です。
3-4.太陽御神殿|現代に蘇った「太陽の山」のシンボル
位山の中腹には、近年になって建立された**「位山太陽御神殿」**もあります。
- 球体状の社殿の前に、半人半龍のインパクト大な狛龍神像
- 中には三体の御神体が祀られているとされる
- 祭神:天照日の大御神、天の常立大神、国常立大神
ここでは、
「世界の中心が日本であり、その中心が位山である」
という宣言文も掲げられており、“太陽の山”としての位山を、現代に再び可視化した場所とも言えます。
4.岐阜に広がる「巨石文明」|金山巨石群との関係
4-1.下呂市「金山巨石群」とは?
位山と同じ岐阜県内、下呂市金山町にあるのが金山巨石群です。
- 岩屋ダム下流に位置する巨石群+岩屋岩陰遺跡の総称
- 巨大な石の組み合わせと光の差し込み方から、
「縄文時代の太陽カレンダー」とも呼ばれる - 太陽の動きと影・光線を利用して、
- 夏至・冬至
- 春分・秋分
などの節目を読み取る仕組みがあるとされる
長年にわたる「巨石天文学」の調査が行われており、
ストーンヘンジやギザのピラミッドと同じ時代に造られた、巨石建造物だった可能性がある
というロマンあふれる説も生まれています。
4-2.位山ピラミッドと金山巨石群|「太陽+巨石+岐阜」のライン
位山と金山巨石群を見比べてみると、共通点がいくつもあります。
- どちらも岐阜県内の山間部
- 巨石群があり、太陽や光と結びつけた解釈がされている
- 山岳信仰・水・分水嶺といったテーマとも相性が良い
そのため、
「飛騨~下呂一帯には、巨石+太陽信仰をベースにした“古代巨石文化圏”があったのでは?」
という仮説も語られています(こちらも学術的に確立した説ではありませんが、旅のテーマとしては面白い)。
位山ピラミッド+金山巨石群+飛騨高山+下呂温泉
という組み合わせで、「岐阜・古代ロマンと温泉の旅」を組むのもオススメです。
という組み合わせで、「岐阜・古代ロマンと温泉の旅」を組むのもオススメです。
5.ピラミッド説をどう楽しむ?ロマンとリアルのバランス
5-1.学術的にはどう見られているのか
位山ピラミッドや飛騨王朝説に関わる
- 竹内文書
- 上記(ウエツフミ)などの古史古伝
- 神代文字説
- 日本古代ピラミッド説
は、基本的に学界では史料としては認められていません。
また、位山の巨石群についても、
- 地質学的には「濃飛流紋岩が長い時間をかけて風化・浸食された結果」
- 人工的な加工があったかどうかは、明確なエビデンスが不足している
というのが、現時点での“リアル寄り”な見方です。
5-2.それでも人が惹かれる理由
それでも「岐阜 位山 ピラミッド」「日本のピラミッド」といったキーワードで、位山を検索する人は後を絶ちません。
その理由は、
- 山の形・巨石の配置
- 太陽や水との関係
- 神社や神話、古文書が語るストーリー
こうした要素が重なり合うことで、**“ただの山以上の何か”**を感じずにはいられないからかもしれません。
この記事としては、
- 伝説を歴史的事実として断定しない
- でも、そこに込められた物語を「文化」として楽しむ
というスタンスをおすすめします。
科学的な説明と、古代ロマン。
どちらか一方を選ぶ必要はなくて、
「二重のレイヤー」として眺めるのがいちばん楽しい。
そんな距離感で、位山ピラミッドを味わってみてください。
6.位山ピラミッドを歩いて体感する|登山ルートと見どころ
6-1.主な登山ルート
モンデウス飛騨位山(道の駅&スノーパーク)から
- 標高約900mのゲレンデ・位山交流広場が登山口
- ゲレンデを登り、山道に入って天の岩戸経由で山頂へ
- 距離:約5.5km
- 標高差:約630m
- 所要時間:登り3時間前後~、下り2時間前後が目安
ダナ平林道終点から「巨石群登山道」
- 林道終点(標高約1,320m)まで車でアクセス
- ここから山頂まで約1.5km/標高差約200m
- 所要時間:登り約1時間、下り約50分
- 巨石群も多く、「ピラミッド感」を味わいたい人に向くお気軽コース
6-2.歩きながら巡れる“ピラミッドスポット”
- 位山太陽御神殿(狛龍神・球体の社殿)
- 禊岩・御門岩・日抱岩・朧岩・光岩・豊雲岩などの巨石群
- 飛騨一宮水無神社奥宮「天の岩戸」周辺
- 山頂直下の「天の泉」(御神水として大切にされている湧き水)
- 北アルプス・御嶽山・乗鞍岳などを望める展望ポイント
ピラミッドや古代文明説に興味がある人なら、「ただ登る」だけでも相当楽しい山です。
6-3.装備・注意点
- ハイキングよりは軽登山寄りの装備が安心
- 滑りにくい靴(スニーカーより軽登山靴推奨)
- レインウェア・防寒着
- 手袋・帽子・行動食・飲み物
- 山頂付近は天候変化が速く、ガスがかかることも多い
- 巨石は苔むしている部分もあり、乗ったり、無理に登ったりすると滑落の危険あり
- 奥宮・天の岩戸周辺は、地元では聖域として大切にされている場所
- 大声・過度な撮影・岩への落書きや石の移動はNG
「パワースポット巡り」であっても、
山は山。登山の基本マナーと安全第一は忘れずに楽しみましょう。
山は山。登山の基本マナーと安全第一は忘れずに楽しみましょう。
おわりに|信じるか信じないかは“あなたと位山”次第
岐阜県・位山は、
- 霊峰・分水嶺・ご神体
- 飛騨王朝・高天原・天孫降臨
- 巨石群・祭壇石・天の岩戸
- 金山巨石群と共鳴する「巨石文化圏」
といった、いくつものレイヤーをまとった不思議な山です。
ピラミッド説や古代文明説は、あくまでロマンの領域ですが、
- 分水嶺としての地形
- 霊山としての歴史
- 巨石と森が醸す独特の空気
- 頂から見える北アルプスや御嶽山の景色
は、どれも現地に立った人だけが味わえるリアルです。
信じるか信じないかはあなた次第。
でも、一度位山の森と巨石の間に立ってみれば、
「ただの山」だと言い切るのは、きっと難しくなるはずです。
岐阜・飛騨方面に出かけるときは、ぜひ「位山ピラミッド」を、ロマンとともに歩いてみてください。




