「海や山で仕事なんて憧れるけど、ホテル代だけで破産しそう」
「結局、Wi-Fiとコンビニがある都会の方が便利なんじゃない?」
「結局、Wi-Fiとコンビニがある都会の方が便利なんじゃない?」
リモートワークが普及した今でも、「ワーケーション=キラキラした高いホテルでする贅沢」というイメージは根強いものです。
しかし、もしWi-Fi完備の一軒家が、1泊1,000円以下(あるいは無料)で借りられるとしたらどうでしょう?
今回は、実際に四国(愛媛・香川・徳島エリア)の自然と街を2週間渡り歩き、宿泊費総額1万円以下で過ごした「格安かつ贅沢な」実録レポートをお届けします。
ホテル代が高すぎて諦めた人へ。「自治体のお試し住宅」という裏技
今回利用したのは、ホテルでも民泊でもありません。「自治体の体験移住住宅(お試し住宅)」です。
「お試し移住住宅」とは?
地方自治体が「移住を検討している人」向けに貸し出している住宅のこと。 多くの施設が家具・家電・寝具・Wi-Fi・調理器具を完備しており、「スーツケースひとつで明日から生活できる」環境が整っています。
【超重要】利用のルール 単なる「格安宿」としての観光利用はNGです。「移住を視野に入れた生活体験」であることが絶対条件。 ですが、「今のテレワークという働き方が、その土地の環境で続けられるか確認する」というのは、立派な移住検討のプロセスです。マナーを守れば、ワーケーターにとって最強の選択肢となります。
【体験記・前編】愛媛県新居浜市:1日1,000円で「街と自然」のいいとこ取り
最初の1週間は、愛媛県新居浜市のお試し住宅に滞在しました。
- 費用: 1日 1,000円
- 環境: 街中エリア
車なしでも生きられる「プチ田舎暮らし」
ここの魅力は、なんといっても「スーパーが隣にある」こと。 地方暮らし=車必須というイメージがありますが、ここは徒歩圏内で生活が完結します。
平日の日中は、Wi-Fiの飛んでいる部屋でしっかり仕事。 夕方になったら隣のスーパーで地元の新鮮な魚や野菜を買い込み、備え付けのキッチンで自炊します。外食続きになりがちな旅行と違い、胃袋も財布も疲れません。
窓から見える景色がビルではなく「山」になる。それだけで、パソコンに向かうストレス値が驚くほど下がりました。
【体験記・後編】愛媛県四国中央市(新宮):0円で叶う、どっぷり森生活
次の1週間は、お隣の四国中央市・新宮エリアへ移動。ここからが「森の暮らし」の本番です。
- 費用: 無料(2泊3日〜7泊8日まで)
- 環境: 山の中(車必須)
- 設備: 4LDKの木造2階建て
雨の日は「最強の集中タイム」
案内されたのは、家族でも持て余すほど広い4LDKの一軒家。窓を開ければ、視界いっぱいに新緑が広がります。
ここは山の中なので、コンビニはありません。聞こえるのは鳥の声と風の音だけ。 滞在中はあいにくの梅雨空でしたが、これが怪我の功名でした。
雨音をBGMに、ひたすらPC作業に没頭する。 「雨=観光できなくて残念」ではなく、「雨=誰にも邪魔されない集中タイム」に変わる発見がありました。 晴耕雨読ならぬ、「晴旅雨働」。天気に合わせて働き方を変えられるのも、長期滞在の強みです。
浮いたお金で「四国」を遊び尽くす
宿泊費が2週間で1万円以下に収まった分、休日の移動や体験には思いっきり投資できます。 車を走らせれば、四国の名所はすぐそこです。
週末に巡ったスポット
- サウナ&うどん: 香川県へ足を伸ばし、有名なサウナ「琴弾廻廊」で整った後は本場の讃岐うどん「宮川製麺所」。
- 絶景・秘境: 徳島県の「剣山」「かずら橋」でスリルを味わい、「大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)」の峡谷美に息を呑む。
- 巡礼: 四国八十八ヶ所の一部を歩く「区切り打ち」体験で、心をリセット。
【特選】個人的No.1絶景は「紫雲出山」
SNSで有名な「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」も素晴らしいですが、個人的に推したいのはその近くにある「紫雲出山(しうでやま)」です。
浦島太郎伝説が残る荘内半島にあり、山頂からは瀬戸内海の多島美が一望できます。 森の空気を吸いながら、眼下には穏やかな海。 「山と海が近い」という四国ならではの地形を体感できる、最高のパワースポットでした。
結果:「表向き」が「本気」に変わった
正直に白状します。 最初は「安くワーケーションできるから」「自然の中で仕事してみたいから」という、軽い気持ちでの利用でした(表向きは移住検討として)。
しかし、地元のスーパーでおっちゃんと言葉を交わし、森の匂いがする空気を吸い、圧倒的な絶景に日常的に触れる日々を過ごすうち……
「ここに移住したい」
という気持ちが、本当に湧いてきてしまったのです。
観光旅行のホテル泊では、その土地の「生活の匂い」までは分かりません。 自分で料理をし、ゴミを出し、近所を散歩する。そんな「試着」のような体験をしたからこそ、自分ごとの未来として想像できたのだと思います。
まとめ:PCひとつで、森の隣人になる
ワーケーションは、決してお金持ちだけの遊びではありません。 むしろ、「暮らしを変える実験」だと思えば、都会で漫然と過ごすよりも安上がりで豊かかもしれません。
これから利用する方へ
- マナー厳守: 観光・出張のみの利用は不可です。あくまで「その土地での暮らしを体験する」姿勢で利用しましょう。
- 事前確認: 人気の施設は予約が埋まりやすいです。また、入退去が平日限定の場合もあるのでスケジュール調整は必須です。
PCひとつあれば、森の中でも生活ができる時代。 まずは1週間、あなたも「森の隣人」になってみませんか?






